インドネシアでビジネスをするには、まず当事国の国民性、気質、性格を知ることが大切だ。何にでも裏と表があるようにインドネシア人の矛盾する二面性を2回シリーズでお伝えしている。今回はその2回目になる。その国民性や気質の表面的な部分だけを見ていたら大きな痛手を受けることになるからだ。
さらに異常に高い経済成長を続けているインドネシアの歪みも多く存在する。
インドネシアとの取引や進出する企業の経営者にぜひ読んでいただき、インドネシアの二面性を理解するとともにビジネスアイディアを探してほしい。緊急性のある悩み・苦しみを解決することが、次のビジネスにつながるからだ。
【その1】
1.ビジネス編
【その2】
2.生活・お金編
1.借金の返済はできないが、目の前の欲しいものを買う
2.借金はしたくはないが、家族の命が大事
3.ウソをつくのは悪いと思うが、両親を心配させないためにウソをつく
4.家族は大事だが、奥さんには弱い
5.妻には嫉妬深いが、自分の外部活動は寛容
6.人前では笑っているが、一人になるとウツになる
7.楽天的な性格だが、自殺者も多い
8.施しには「ありがとう」というが、貰えないと「ケチ」と言う
9.森に木を植えるが、川ににゴミを捨てる
10.アメリカは嫌いだが、アメリカに行きたがる
11.いつもはゆっくりしているが、運転はめっぽう素早い
12.匂いには敏感だが、空気は読めない
13.違法DVDを取り締まる警官はいるが、休日はその店でDVDを買う
14.地震には「キャー」と騒ぐが、ゴキブリは無表情でぶっ叩ける
15.健康が大事だとわかっているが、揚げ物と辛いものを好んで食べる
3.男女関係編
1.男性は色白の女性を好み、女性は太った男性を好む
2.本当は結婚したくないが、ロマンチックの欲望は抑えることができない
3.イスラム女性は男性から触られることを嫌がるが、ファッションではセクシーだと思われたい
4.ロマンチックビデオは禁止だが、日本最新のロマンチック女優の名前に詳しい
5.タイのおカマは綺麗だが、インドネシアのおカマはヒゲがある
6.募集要項に処女検査はあるが、反対の声は大きくならない
7.携帯電話を無くしたといってお金をせびるが、同じ番号でつながる
8.結婚相手は愛が必要だが、最重要項目はお金持ちかどうか
9.ドリアンは割れるが、マンゴスチンは割れない
まとめ
2.生活・お金
1.借金の返済はできないが、目の前の欲しいものを買う
インドネシア人の欲しいものは、スマートフォン、車やバイク、持ち家と答える人がほとんだだ。
スマートフォンやバイクなどは、まだ比較的購入しやすいが、それでも見栄を張って無理して購入する人が多くいる。最低賃金で働いていたとしても、バイクはローンで購入する。
契約社員で、雇用期間が明らか支払い期間より短くても、目の前のバイクを購入してしまう。結果、契約期間が切れ、ローンが払えなくなりバイクを没収されることが非常に多い。没収されたバイクは中古車市場に流れ、バイクの中古車市場が潤っているのだ。
持ち家に関しては、あまりにも無謀なローンが多い。例えば、手取り4万円で、家のローンが毎月3万5千円払うという異常な組み方をする。誰が見ても破綻するようなローンを組んでしまうのだが、目の前の物が欲しい欲望は抑えられないのだ。その結果、親戚や友人からお金を借りたり、家族が病気になって病院の支払いのために、雪だるま式の借金地獄になるか、家を売ることになってしまうのだ。
柱よりも大きなクサビ
Besar pasak daripada tiang
分不相応の暮らしぶり。収入より大きな支出をすること
2.借金はしたくはないが、家族の命が大事
ほとんどの人が借金に悩み、苦しみ、もがいている現状がある。私の感覚から言えば、インドネシア人の70%はなんらかの借金をしていいると感じる。それも、現状のままでは到底返済できないくらい金額の借金だ。
借金する大きな理由は、家族の治療費だ。例えば、奥さんが病気になって治療を受けるためには病院に莫大な治療費を払わなければならない。病院は、治療費を支払わないと治療自体をやめてしまうからだ。
治療費が払えず患者が死んでしまうといった非人道的なニュースは毎月のようにある。
そのため両親や親戚は元より、銀行や地元の有力者から借りられるだけ借りる。それでも足りない場合には、いわゆる金貸しから借りることになるのだ。
こういった現状を理解しているジョコウィー大統領が積極的に進めているのは、全国民の健康保険制度だ。現状はまだ40%の国民が健康保険に入っていないということだ。企業においては日本人も含めた全従業員に健康保険に加入する義務がある。詳しい内容は社会保障サービス機関(BPJS:http://bpjs-kesehatan.go.id/bpjs/)を参考にしてほしい。
最近のニュースで、ある医師は「ゴミを持ってくると治療を受けられる」というシステムを導入した。アルミ缶や段ボールなど一定の量を毎月病院に持っていくと、定期健診や治療がタダになるというシステムだ。こういった草の根活動が広まりつつあるのだ。
3.ウソをつくのは悪いと思うが、両親を心配させないためにウソをつく
[出典:www.ceritamu.com]
社会に出た若者に多いのが両親にウソをつくことだ。ウソの内容は借金や詐欺にあったことが多い。その借金を返済するために、「友達が困ってるので助けて欲しい」などとウソをを言って両親からお金を送ってもらったり、ひた隠しにして”夜の商売”をしたりする。この「両親に心配をかけてはいけない」というのは、どの小学校の教科書にも登場する。
家族を大切に思うことは素晴らしいことだと思う。しかし、家族中心となり、家族のことばかり考えて続けていると、自分を失ってしまう。
両親に心配をかけないためにウソをつくという行為は、高い経済成長の中で、現実と理想のギャップに悩まされる社会の歪みかもしれない。
4.家族は大事だが、奥さんには弱い
結婚した多くの旦那さんは、家族のために働いていると必ず言う。私は続けて「奥さんのことを愛してますか?」と聞くと、ほとんどが返答に躊躇するそぶりを見せるのだ。モールなどでも家族で訪れいているグループを見かけるが、ほとんど旦那さんは奥さんの後ろを歩いているか、一人でポツンと携帯をいじっていることが多い。旦那さんの給料はほとんど奥さんにあげているという聞いている。
やはり、インドネシアでも奥さんが強いと感じている。
家族が一緒に暮らすという生活は、核家族化の日本が失ってしまった素晴らしい文化だと思っている
食べても食べられなくても家族が揃う
Mangan ora mangang kumpul
食べても食べれなくても家族そろって一緒に居られるのが一番
5.妻には嫉妬深いが、自分の外部活動は寛容
[出典:www.merdeka.com]
イスラム教の教えでは、夫以外の人に肌を見せてはいけないし、触れてもいけない。さらに、妻の浮気がばれた場合にはすぐに夫から離婚できることになっている。逆に夫の浮気に対してはイスラム教は寛容だし、妻は最高4人まで持つことができる。
妻が二人いる友人とじっくり話したことがあるが、第一夫人は一夫多妻制には寛容だという。それに、第二夫人もすでに結婚していることを知っているが結婚したいという気持ちの方が上まっているので結婚したという。妻同士の嫉妬心がないかというとそうではないみたいだが、以外と仲良くやっている感じであった。
ただ、夫の義務としては「平等に愛すること」になっている。第一夫人にバックを買ってあげたら、第二夫人にも買ってあげるとか、今日は第一夫人の家に泊まったら、明日は第二夫人の家に泊まる、といったことだ。現実には不可能だが、二人以上の妻を持つ夫も大変だなあ、と思う。
私自身もこの一夫多妻の文化については、まだまだ心底から理解はできていないと感じてしまう文化だ。
6.人前では笑っているが、一人になるとウツになる
[出典:irrafeisal.blogspot.com]
インドネシア人は南国文化で、いつも微笑みを絶やさないと思われているが、実はそう簡単ではない。
確かに人前では幸せそうに振舞っているが、悩みも多く抱えている。一人になると現実と理想のギャップに挟まれて、ウツ状態になるという。これは映画やドラマにおいても、一人にお祈りをしているシーンには必ず涙を流しているシーンがある。つまり、それが共感できるということだ。
イスラム教などの宗教の理想としている社会と現実社会にはあまりにも差がありすぎるからだ。爆破事件、詐欺、物乞い、街中のゴミ、渋滞、さらには両親との付き合い、下の子の学費、恋人、急激な経済成長とインフレなども理想とかけ離れているからだ。
7.楽天的な性格だが、自殺者も多い
楽天的で食べるものには困らないと思われているが、現実的には、都会に暮らす多くの者には精神的なプレッシャーと生活の不安、借金などの理由で自殺する人が絶えない。年々自殺者は増える傾向にある。表面的には楽天的だとに思われているインドネシア人ではあるが、悩みや苦しみを内に秘める傾向が強いということも受け入れておく必要があるということだ。
さらに、その悩みを相談できるところがほぼない。
だから、私たち日本人は、従業員と数時間にわたって話を聞くことで、多大なる信頼関係を築くことができるようになるのだ。「わたしの話を真剣に聞いてくれた。こんなことは今までになかった」とほとんどに従業員は思ってもらえる。話を聞いてあげること自体が、労働問題やストライキを防止することに繋がっているのだ。
インドネシアに赴任している日本人は、ぜひじっくりと時間をかけて1対1でインドネシア人の話を聞いてあげてほしい。
8.施しには「ありがとう」というが、貰えないと「ケチ」と言う
富める人が、貧しい人に分け与えるという文化はイスラム教を中心に根付いている。多くの災害などのニュースを知ると、募金活動などをして、支援の手を差し伸べる人も多い。定常的には、断食月や断食月の終わりの休日には、近所の人にお米や豆などを配る風習がある。非常に素晴らしい文化だと言える。
素晴らしい文化であるが習慣化されると、もらう方は慣れてしまう。予期したものが貰えないとなると、あげる人をなじることもある。これを最初に知ったのがインドネシアのドラマだ。
あるレバランの時にお金持ちが、近所の貧しい人にお米を袋に小分けして配っていた。近所の人が10人ほど列をつくって並んでいたが、途中で用意したお米がなくなってしまった。近所の人は主人に対して、「どうして私にはくれないのか?ケチだ!」と大騒ぎになった。仕方がないので主人が出てきて「すみません。すみません。明日には用意しますからまた明日きてください」と謝っていたのだ。
そのドラマを見て、違和感を感じたのをよく覚えている。もらえる方は、予期した物が貰えないとなると、相手を責める事になるということだ。
これは会社にも当てはまる。予期していた手当やプレゼントがもらえないと知ると、暴動になりかねないという事だ。
9.森に木を植えるが、川ににゴミを捨てる
[出典:mudazine.com]
ユドヨノ前大統領の呼びかけで環境問題の取り組みとして「ゴー・グリーン」というのがある。その一環として「国民一人1本の木を植えよう」という活動があり、いまでも植樹活動を続けている。ジャングルの崩壊が叫ばれるなかでは、素晴らしい取り組みだ。
ただし、ジャカルタを含めた都市においては、ゴミ問題が最大化している。ゴミ収集システムの欠如と圧倒的に焼却施設が不足しているからだ。さらに、ゴミに対する国民の意識は低い。川に捨てることで目の前からゴミがなくなれば良いと思っている人もまだまだ多くいる。
会社内でもオーガニックとノンオーガニックのようにゴミを分別活動はしているが、結局ゴミを社外から出す時には一緒に出すことを全員が知っている。つまり、分けても分けなくても同じなので、活動自体が活発にはならない。ISOの監査を通過するだけにやっているだけになっている。
10.アメリカは嫌いだが、アメリカに行きたがる
東南アジアの中でも、唯一アメリカ軍が駐在していないのはインドネシアだけだ。スカルノ大統領時代から、インドネシアは中立の立場をとり、共産国とも関係を築いてきたのだ。記憶に新しいのは、2004年に北朝鮮から蘇我ひとみさんが帰国を果たしたのはインドネシアでの家族との再会が大きな起点となっている。
さらに、イスラム教信者はアメリカを嫌っている。テロリストの撲滅は理解できるが、どうしてもイスラム関係国ばかりが標的になっているからだ。
しかし、現在においてはインドネシア語のアルファベットが英語と全く同じであることと、ビジネスをするにはアメリカを除くことはできなくなっている。特にインドネシアの若者はアメリカの有名大学への進学を望んでいるし、IT関係の会社を中心に就職を希望しているのだ。
11.いつもはゆっくりしているが、運転はめっぽう素早い
[出典:oto.detik.com]
日本でも「運転すると人が変わる」と言われる人がいる。インドネシアでも全く同じ現象がある。普段の動作はゆっくりで温厚な運転手も、ハンドルを握った瞬間に人が変わったようにキビキビを運転する。
例えば、ほんのすこしの車間があれば、入ろうとするし、車線変更も鋭く突っ込んでいく。高速道路の状態がそれほどよくないのにもかかわらず、140km以上も出そうとする。会社で運転する場合には社内規定で最高速度を制限することだ。どんなに急いでいても、110km以上は出さないなどの歯止めをしておいてほしい。
12.匂いには敏感だが、空気は読めない
インドネシア人の嗅覚は鋭い。理由は小さいころから食べれるのか、腐っているかを匂いで判断してきた経験を積み上げているからだ。新しい食べ物を見つけた時に必ずやる仕草が、匂いを嗅ぐことだ。
嗅覚が鋭いために、体臭も気にする人も多い。男性化粧品が成功しているマンダムの男性化粧品は、どんなに田舎にあるエチェラン(屋台風の雑貨屋)に必ず置いてある。女性は特に脇の下の匂いをすごく気にする。
ただ、その場の空気を読むことができない。自己主張が強い時もあるし、回答しなければならない時でも黙りこんでしまう。だから、発言の裏にある意図を表情で読み取る必要があるのだ。
会議のときには発言の内容ではなく、表情やボディーランゲージで判断することで、相手の本心を探ることができるのだ。
13.違法DVDを取り締まる警官はいるが、休日はその店で違法DVDを買う
違法コピーの店は最高級モール以外には、どのモールでも良い場所を確保している。道端や駐車場の一部を屋台風のDVD屋さんも数多くある。毎年数回は「著作権保護」の旗の下に取り締まりを行い、違法DVDを集めて道路建設用のローラーで踏み潰すというパフォーマンスをやっている。だた、その取り締まっている警官さえも、制服を脱げばただの市民になり、違法DVDと知りながら映画のDVDを購入しているのだ。
ただ、このDVDや音楽CDもインターネットの普及により、違法サイトが広まっており、映画、アニメ、アダルトなどの作品がネット上に無料で入手できるようになってきている。街の違法DVDは、DVD再生機器の普及には一躍をかったが、違法ネット配信に移行している傾向になっている。
14.地震には「キャー」と騒ぐが、ゴキブリは無表情でぶっ叩ける
[出典:kepo.my.id]
前職の工場で、震度3程度の地震が発生したことがある。地震を経験したことのないインドネシア人は、地震の恐怖でパニックになった。ある者は「キャー」と叫び、ある者は失神して倒れてしまう者もいた。それ以降は、必ず避難訓練を実施したことによって、二回目の地震にはパニックになる人が少なくなった。
地震にはパニックを起こすが、若い女性でもゴキブリには強い。騒ぎもしないし、表情一つ変えないでぶっ叩けるのだ。それだけゴキブリを目にすることが多く、衛生状態が悪いということだ。
15.健康が大事だとわかっているが、揚げ物と辛いものを好んで食べる
インドネシアでも健康ブームになってきている。特にMLM(マルチレベルマーケティング)をつかった健康食品の販売が好調だ。アメリカから輸入された健康器具のランニングマシーンなどもモールや通信販売によって数多く売られている。さらに、モールには必ずフィットネスクラブが入っている。
ただ、食事に関してはなかなか変えられない。朝から炒め物、揚げものや、インスタントラーメンを食べる人もたくさんいる。もちろん安いことが主な理由だ。
南国では当たり前になっているが、辛い物が大好きだ。特に食事にはサンバルと呼ばれる唐辛子と香辛料を混ぜた調味料が欠かせない。サンバルは基本的には家庭で作るため、インドネシア人にとっては「おふくろの味」といったところだ。その文化は健康志向に向きつつも、なかなか変えることはできないのだ。
3.男女関係
1.男性は色白の女性を好み、女性は太った男性を好む
[出典:www.selasar.com]-Dian Sastrowardoyo-
若い男性に対して、「彼女にしたい人はどんな人か?」という質問でダントツなのだ、「色白」であることだ。インドネシアの女優たちも色白だし、インドネシアで今流行している歌手グループのJKT48のメンバーは全員が色白だ。この男性の好みを熟知している女性たちは、すこしでも色白になろうとする。各社の化粧品なども「白くなる」ことを強調している。
一方、女性が好きなタイプの男性は、「太った人」がダントツだ。太った人=お金持ちという構図を信じている人がまだまだ多い。痩せている人はどうしても貧乏でご飯も食べれない人というイメージがあるのだ。太った男性はモテるので、少し小太りの日本人男性には朗報だ。
ディアン・サストロ ワルドヨ(Dian Sastrowardoyo)
モデル・女優。1882年3月16日生まれ。インドネシア大学卒。2000年に大ピットした映画アダ・アパ・ドゥガン・チンタ?(チンタに何があったの?)で一躍有名に。その後女優として数々の映画に出演し、主演女優賞を何度も受賞。2010年結婚し一児のママ。
2.本当は結婚したくないが、ロマンチックの欲望は抑えることができない
インドネシアでは20歳を過ぎたら、すぐ結婚する男性が多くいる。「もっとお金を貯めてから結婚したほうがいいのでは?」と友人に聞いたところ、「もう我慢できないから」という答えだった。
イスラム教でも、キリスト教においても婚前交渉は禁止されている。ロマンチックの欲望を満たすには結婚するしか方法はないのだ。だから若くして結婚する男性が多いのだ。また、女性も子供を産むことと育てることに幸せを感じているので、25歳までに結婚したい人がほとんどを占める。
ただ、経済成長によって、この構図が壊れ始めている。男性は、比較的安くで安全な”ロマンチック”ができる場所があり、女性は、給料が高い職場に勤めたり、JKT48などの自分の夢を達成する可能性が増えてきているからだ。
3.イスラム女性は男性から触られることを嫌がるが、ファッションではセクシーだと思われたい
[出典:www.muslimahcorner.com]
敬虔なイスラム女性教徒は、夫以外の男性と握手をすることもご法度になっている。体の線を隠し、顔と手だけを出して他の男性から隔離するのだ。本来であれば、アラブ女性のように真っ黒な衣装で目だけを出した服装が正式だ。
ただ、女性の美の追求は終わりがない。特に注目されているのが、イスラムファションである「ヒジャブ」だ。
本屋にイスラムのルールに従っているカラフルな色使いの服装とジルバップの巻き方の本が売れているし、ネットでも話題になっている。それがセクシーと見えるか、エレガントと見えるかは定かではないが、ヒジャブファッションはインドネシア発で、世界中のイスラム女性に夢と希望を与えるきっかけとなるだろう。
4.ロマンチックビデオは禁止だが、日本最新のロマンチック女優の名前に詳しい
[出典:www.memobee.com]
「ミヤビ(Miybi)」はインドネシアの男性であれば知らない人はいない。日本のロマンチック女優の小沢マリアだが、なぜこれほどまでに有名なったのかが興味深い。小沢マリアの写真が学校の教科書に載ったのだ。著者は日本語の「雅(みやび)」の説明としてこのような人と写真を入れた。彼女はインドネシア人からすれば、色白で顔立ちもインドネシア人好みだったのだ。
全国の学校に配られた後にネットで「この写真は小沢マリアだ」と話題になった。もちろんイスラム教擁護団体から責められ、回収されたが時すでに遅し。その後は、タケノコのように日本のロマンチックビデオがインドネシア国内に広がった。
今でも、インドネシアには最新のロマンチック情報がネットを中心に入手が容易になっている。
5.タイのおカマは綺麗だが、インドネシアのおカマはヒゲがある
タイではニューハーフがあまりにも綺麗で女らしく、ベットまでわからなかったということを良く聞く。インドネシアでもニューハーフは認知されているし、バラエティー番組には必ず一人は存在する。
ただ、お世辞にも綺麗という人あまりいない。街角で見かけるニューハーフにはヒゲがありながら、服装やしぐさだけが女性の雰囲気をしている人が多い。
6.募集要項に処女検査はあるが、反対の声は大きくならない
世界中から避難を浴びているのは、政府機関の処女検査の要項だ。ただ、イスラム教の教義からすれば、独身=処女ということは当たり前であるので、イスラム女性団体からの反対の声はそれほど上がらない。
しかし、検査自体が屈辱的であることと、男女平等の観点から廃止の方向にいくだろう。
7.携帯電話を無くしたといってお金をせびるが、同じ番号でつながる
カラオケガールと仲良くなって、最初にせびられるのは携帯電話やスマホだ。携帯を無くした、盗まれた、などど迫られたら、個人的に連絡をつけたい下心から、買ってしまうおじさまが後を絶たない。
もちろんウソで、携帯電話を売ってお金に変えたのだ。その際にはプリペイドのSIMカードは取っておくので、電話番号は変わらない。
お金をせびるのはこれで終わらない。洋服、化粧品、高級バックと続き、最後は認知、結婚と迫ってくる。引き際が大事だ。深みにはまってしまって会社の金を横領する事件も数多くあるからだ。
8.結婚相手は愛が必要だが、最重要項目はお金持ちかどうか
普通のインドネシア女性が結婚相手を決める時には、愛が一番ではない。一番は経済力があるかどうかだ。
定職についていることが最低条件だ。もちろんお金持ちであれば、両親も喜んで同意してくれる。女性はかなりしたたかで、愛だけでは食べていけないことがわかっているからだ。インドネシアのような混沌とした社会では、動物界と同じ「弱肉強食」の世界なのだ。
ただ、財閥や上流階級には政略結婚もいまだ残っている。お金持ちはますますお金持ちになっていくのだ。
9.ドリアンは割れるが、マンゴスチンは割れない
[出典:cekiwir.com, www.deherba.com]
インドネシアらしい諺の一つだ。ドリアンは熟すと皮が破れて、すごい匂いを放つ。マンゴスチンは熟しても皮が破れることはない。ドリアンは果物の王様とよばれ、マンゴスチンは果物の女王とよばれている。つまり、男性は男女関係の秘密を他人に漏らし、女性は秘密を守り、口を閉ざしたままということだ。
私の感覚から言ってもこれは的を得ていると感じている。男性に「誰と付き合っているのか」「どこまでいっているのか」と聞くとすぐに話してくれるが、女性は誰と付き合っているかさえもなかなか言わないのだ。
ドリアンは割れるが、マンゴスチンは割れない
Masak Durian, Masak manggis
男性は秘密を守れないが、女性は秘密を守ることができる
まとめ
インドネシア人の世界観が見えてきただろうか。もちろん個人によって性格も世界観も異なるし、島ごとによっても大きな隔たりがある。しかし、大局から眺めていくと様々な価値観と矛盾によって世界が形成されていることがわかってくる。この混沌とした社会には現地にない技術やサービスが隠れているので、大きなビジネスチャンスがあると考えている。
”ビジネスに活かすためのヒントがあるか?”という視点で、再度これを読むと新しい発見があるかもしれない。
ビジネス関係についてはインドネシアビジネスで重要!インドネシア人世界観の光と陰【その1】を読んでほしい。
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