副業として海外製品を輸入して転売するなどの個人輸入ビジネスを始める前に、まず最初に押さえておくべき重要なポイントを10項目あげてみる。今回(前編)、次回(後編)の2回シリーズに分けてご紹介する。
副業としての個人輸入ビジネスの月間の稼ぎのは「10万円」を目安のレベルとしている。
もちろん本業がありながらの状態を想定しているので、時間効率と費用対効果を考えて重要なポイントを10個に絞ってみた。ざっと目を通してほしい。そして気になったところは意識して、さらに詳しい情報を集めることも大事である。
以下に揚げる個人輸入の10項目のポイントを押えておくことで、以下の2つのことが実現できる。
1.お小遣い程度の資金から始めても確実に収入を増やすことができる
2.周囲に知られず密かに副収入を作ることができる
つまり初期投資のリスクを抑えて、確実なリターンを積み上げて行こうとする人のための記事だ。(もっと稼いでいきたいと思っている人は基本的なチェック事項として活用できる)
個人輸入ビジネス(転売などを含む)は、初期投資がほとんどかからず、お小遣い程度の資金から始めても確実に収入を増やすことができることは私自身が実感済みだ。つまり副業としてもやっていける。さらには、インターネットを活用することで在宅ワークでも可能だし、その点からも密かに副収入を増やす副業には最適なビジネスなのだ。
また個人輸入は、自分の好きなものや興味があるものを扱うことができるので、自身のモチベーションも上がり、長期的に継続しやすく、結果的に収入としても安定的に稼いでいくことができる。
このサイトでもご紹介してきた数々のインドネシアからの商品は、有名なバリ島の雑貨をはじめ、ラタンの家具、アロマキャンドルやアロマオイル、ガムランボールなど、普段の生活にアジアンテイスト溢れる空間を作りたい人などにとってはぜひ手に入れたい商品ばかりだ。
また、ヨガやヒーリンググッズ、ジャムウ(インドネシアの伝統薬)などについてもインドネシアからの輸入商品は人気が高い。
・「インドネシアから個人輸入できる人気のバリ島雑貨トップ100選」はここから
・「精力増強系ジャムウ人気ランキング33選」はここから
1. 輸入できないもの
2.輸入と個人輸入の違い
3.輸入できても販売できないもの
4.関税リミットライン
1. 輸入できないもの

輸入する際に絶対に輸入できないものがある。個人輸入でも、商業的な輸入に関しても同じだ。
日本で輸入が禁止されているものは、基本的には日本国民を危険から守るためや、国内産業の保護、国際的な取り決めによって決められている。具体的には麻薬やけん銃・化学兵器などが挙げられるが、実はきちんと調べておかないと、意外なものが輸入できない可能性がある。
例えば、インドネシアで横行している映画コピーのDVDや偽造品、ポルノ関係、偽ブランドのバック、土がついた植物などは輸入できない。また輸入可能なものでも、輸入通関までに許可や承認、検査が必要なもののある。
①輸入が禁止されているもの
まずあなたの輸入したい商品が、輸入できるものかどうかをはっきり調べてほしい。
関税法による輸入が禁止されているものは以下。詳細説明については「輸入転売ビジネスではじめに知るべき規制品目一覧」を合わせてみてほしい。
・輸入が禁止されているもの一覧
①麻薬
②指定薬物
③けん銃、砲弾
④爆発物
⑤火薬類
⑥特定物質(化学兵器)
⑦感染症の病原菌
⑧にせ札・偽造カード
⑨風俗を害すべき書籍等
⑩年少期のいかがわしい写真等
⑪商標権・著作権を侵害する物品
⑫偽ブランド品
・税関の輸出入禁止・規制品目:
http://www.customs.go.jp/mizugiwa/kinshi.htm
②輸入制限について関係する法律
輸入が規制や制限されているものは、品目によって関係する法律が異なり、非常に細かく決められている。詳細説明は「輸入転売ビジネスではじめに知るべき規制品目一覧」をみてほしい。
・輸入品に関係する主な法律一覧
①関税法
②外国為替および外国貿易法
③輸入貿易管理令
④食品衛生法
⑤薬事法
⑥植物検疫法
⑦家畜伝染予防法
⑧酒税法
⑨電気用品安全法
⑩家庭用品品質表示法
⑪ワシントン条約
⑫特許法
2.輸入と個人輸入の違い
「個人輸入」と「普通の輸入」は何が違うのかをよく聞かれる。大雑把に言えば、
輸入品を販売しても良いか、
販売してはいけないかの違いだ。
個人輸入したものは原則として販売できない。
例えば、体を洗う石鹸を輸入して販売しようとした時には、薬事法の規制対象となり、化粧品販売製造業の許可と製品ごとの届出書を提出し、責任技術者を置かなければならない。しかし、販売せずに自分で使うのであれば、煩雑な手続きは必要ない。
多くの人が勘違いするのは、「少量なので輸入したものを売るかどうかは輸入時にはわからないだろう」と考える。しかし税関は水際対策のプロフェッショナルだ。輸入品の名称、大きさ、発送国、梱包状態を一瞬見ただけで、輸入禁止品や商業目的だということを嗅ぎ分けることができるのだ。
個人輸入の定義として4つ重要なことがある。それは、
①個人使用が目的
②個人が直接輸入する
③すべて自己責任
④優遇措置が受けられる
それぞれ説明しよう。
①個人使用が目的
個人輸入は個人で使う目的であることだ。そして、個人輸入がどうかの判断基準は税関によって決められることだ。
例えば30人の大家族で、みんなコーヒー好きで消費量が多く、海外から安くコーヒー豆を個人輸入しようとする。コンテナ1台分のコーヒー豆を「家族だけに使うのだから個人輸入」と主張しても、税関では「売るつもりだろう」と判断される。
すると販売するために必要な食品衛生法に基づく「食品等輸入届出書」の提出をしたり、残留農薬の検査結果と植物検疫を受けなければならない。
また、医薬品は2ヶ月分(処方せん薬は1ヶ月)を超えて個人輸入しようとしても、薬事法により本当に煩雑な手続きをしなければならない。
どちらの場合においても基本的な税関の考えは、個人的に使う目的の場合には ”おみやげ” 程度なので、「難しい手続きなしで輸入してもいいよ」というだけのことなのだ。
個人が使用する際の限度として、課税価格が20万円を超えると関税や消費税がかかるし、化粧品は通常サイズで1品目24個以内が目安となる。
②個人が直接輸入する
個人が海外の通販業者から直接、個人名義で輸入することだ。
もし、海外から「直接」輸入しない場合には、商業的な貿易とみなされるので、様々な規制対象になる。そして、個人名義ではなく、会社名義の場合にも商業的と扱われ個人輸入とはみなされない。
特に食品、医薬品の場合には、関税は目を光らせている。それは、国民の命や安全に直接関係してくるからだ。だから、海外の食品・医薬品を輸入するには、「個人輸入代行」という方式を使っている。
下の図のように、本来は食品衛生法や薬事法によって厳しい制限があるが、輸入代行業者に依頼することで、海外の食品や医薬品を入手できるのだ。
[個人輸入の手続き代行(医薬品)]
③すべて自己責任
個人輸入は、海外の通販会社との連絡・交渉・支払い、輸入や輸送に関する手続きも「すべて自己責任」でやる必要がある。さらに輸入品を使用した結果に問題が起きても「すべて自己責任」だということだ。
例えば、海外の通販会社に送金したが、品物が送られてこない、注文と送付品が違っていた、税関で没収になった、医薬品を飲んで発疹ができた、などすべて自己責任になる。
逆にいうと、自己責任であるから様々な届出や許可、検査などを省略することができると言える。
自己責任とはいえ、最近話題になっている脱法ハーブや合法薬物といわれるものには「麻薬」や「指定薬物」が含まれている可能性があるので、絶対に輸入も、販売も、使用もいけない。本当に注意してほしい。
税関では、これらの危険ドラッグなどに注意するように勧告している。
http://www.customs.go.jp/mizugiwa/smuggler/designateddrugs.htm
④優遇措置が受けられる
個人輸入であると認められると、税関でのいくつかの手続きを簡略化するなどの優遇措置が受けられる。輸入する品目や金額、数量、条件によって違っているが、以下のような優遇措置がある。
・規制品などの提出書類が免除される
・少額(20万円以下)では関税が免除される
・消費税が免除される
3.輸入できても販売できないもの
個人輸入の定義では、基本的には輸入したものを販売することはできない。しかし、副業として個人輸入ビジネスをやっている人はヤフオクやメルカリなどのオークションサイトで販売をしている。これが月10万円の利益を生み出すための最初のビジネスモデルになっている。
これらは個人と個人の取引であり、数量も少なく、自己責任のため法律的にはあまり規制されていないのだ。もちろん完全に自由というわけではない。医薬品などは販売できない。
では、オークションサイト以外で、輸入できても販売できないものは何かというと、ほとんどの輸入品にはなんらかの規制が存在する。単純にそのままの状態で販売することはほぼできない。
詳細は「月商100万円を稼ぐために知るべき個人輸入のメリットとデメリット」をみてほしい。
①輸入できても販売できないもの
(個人のオークション販売を除く)
種類 | 説明 |
---|---|
食品 | 食品衛生法による「食品等輸入届出書」を提出し、食品の種類ごとに決められた表示事項を日本語で表示する |
衣料品 | ワシントン条約に違反していないこと。家庭用品品質表示法による表示が必要 |
家電製品 | 電気用品安全法に基づき、事業届出、技術基準適合確認、適合性検査を受け、PSEマーク等の表示が義務付けられている |
ペットフード | ペットフード安全法による事業届や安全基準をクリアする必要がある |
CD/DVD | 著作権法や商標法に基づき決められた期間の販売やレンタルの禁止 |
②輸入も販売もできるもの
逆に、輸入品と販売しても良いものはアクセサリーや雑貨類など多く、以下のようなものになる。
種類 | 説明 |
---|---|
ブランド品ではないアクセサリー | ガムランボール、ピアス、ネックレス |
ブランド品ではないバック | ラタン製バック、アタバック、皮製バック(ワシントン条約に違反していないもの) |
インテリア雑貨 | ラタン製家具、ティッシュケース、絵画、木製置物、鏡 |
文具用品 | 鉛筆、ペンたて、便箋 |
ホビー用品 | 木製ミニチュア、加工用ラワン材 |
4.関税リミットライン
個人輸入では関税リミットラインを理解することで、輸入品に課せられる税金を減らすことができる。
結論から言えば、課税価格が20万円以下の場合には「少額輸入貨物の簡易税率」が適用される。
つまり、20万円が関税を減らし、仕入れ価格を抑える一つのリミットラインになる。
20万円を超えた場合には、関税と消費税が課税され、思わぬ出費が増えてしまう。海外に注文する場合には20万円を超えないようにすることが大事だ。
なお、薬事法により商品代金の60%が1万円を超える場合(約16,000円)には関税と消費税がかかるので注意が必要だ。これにはサプリメントも含まれている。
関税については非常に複雑なのだが、まず理解してほしいことが5つある。
①どの国から輸入するかで関税率は変わる
アメリカなどの先進国からは関税が高く、東南アジア諸国からはほとんどがゼロ。
②輸入する品目ごとに関税率は変わる
関税は「HSコード」によって世界的に決められており、現在数百種類に分類されている。それぞれの品目別に関税が異なっている。
HSコードとは
貿易上、すべての物品に固有番号をつけて、世界各国でその物品が何であるかを特定し理解できるようにした9桁または10桁の番号。
日本では9桁の番号で、上6桁までが世界共通で、下3桁は国別に定められている。
①「類(=上2桁)」
②「項(=上4桁)」
③「号(=上6桁)」
④「統計細分(=下3桁)」例:鉛筆の場合は「9609.01」になり、黒しんのものは後に「100」が付き、その他のしんは「900」が付与される。
③関税率は毎月変わる
海外との政治的な駆け引きに使われることが多くあり、ほぼ毎月のように変わっているので、最終的には税関に聞くしかない。
④課税価格は為替レートによって変わる
課税価格は日本円で計算されるため、急激な為替の変動で、関税リミットを超えてしまう場合があるので、為替は必ずチェックすることだ。
⑤課税されると別途消費税もかかる
課税された場合には、自動的に消費税も計算され請求される。
最新の関税率は以下の「実行関税率表」を参考にしてほしい。
・実行関税率表
http://www.customs.go.jp/tariff/index.htm
種類 | 説明 |
---|---|
基本税率 | 長期的に適応される基本的な税率 |
暫定税率 | 一時的に基本税率によりがたい事情がある場合に、一定期間基本税率に代わって適用される暫定的な税率 |
特恵税率 | 発展途上国・地域からの輸入品に対し、原産地等の条件を満たすことにより適用される税率 |
特別特恵税率 | 特恵受益国のうち、後発開発途上国(LDC)を原産地とする輸入貨物に対して適用される税率で、税率はすべて無税。原則として、特恵原産地証明書の提出が必要 |
協定税率 | WHO加盟国・地域を原産地とする輸入貨物に対して、それ以上の関税を課さないことを約束している税率 |
基本税率 | 長期的に適応される基本的な税率 |
経済連携協定に基づく税率 | 経済連携協定(EPA)を締結している国からの産品を対象とし、それぞれに協定に基づいて適用される税率 |
少額輸入貨物に対する簡易税率 | 携帯品または別送品以外の貨物で、課税価格の合計金額が20万円以下の輸入貨物に適用することのできる税率 |
関税の種類だけを見ても、よく分からないと思うが、個人輸入ビジネスの場合には「少額輸入貨物に対する簡易税率」が一番注意してみることだ。最近では、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)で、関税を撤廃する動きがある。
・少額輸入貨物に対する簡易税率
http://www.customs.go.jp/tsukan/kanizeiritsu.htm
まず、あなたが輸入したいものが、HSコード(輸入品目コード)で何にあたるのかを、実行関税率表を見て、しっかり把握しておく必要がある。
まとめ
月10万円を稼ぎ続ける副業として、個人輸入を始める際に押さえておくべき重要ポイント10の前半4つをお伝えした。
今回は、「輸入できないもの」「輸入と個人輸入の違い」「輸入して販売できないもの」「関税リミットライン」といった個人輸入の基本的なことについてご紹介した。
次回【後編】では、個人輸入は「どうやって利益を出していくのか」「見えにくい問題は何か」「副業として稼ぎ続けるにはどうしたらよいか」などの具体的な項目をご紹介する。
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