インドネシア・バリ島やその周辺の東南アジアの国々からアジアン雑貨を格安で個人輸入し、さらに儲けるためにはどうふうに調べ、品物を選んでいったらいいのかについて詳しく解説する。
気に入ったバリ島雑貨を自分で扱いたいと思っているモノはなんとなくあるが、「本当に輸入できるのか」「実際にネット販売して儲かるのか」という不安がある人や、アジアン雑貨で個人輸入ビジネスを始めてみたいと思っている人にとって最適な答えが見つかる内容になっている。
例えば、バリ島に旅行したときに、気に入った石鹸(ジャムウソープなど)やアロマオイルなどを発見したけど、本当に日本で売れるのかどうか不安だし、そもそも石鹸やアロマオイルがバリ島から個人輸入できるのかさえはっきりしないという人も多い。買い付けることはできるが、輸入手続きや関税のことになるとサッパリだという人が圧倒的だ。
今回は、実際に私がインドネシア(バリ島など)から個人輸入している方法を具体的に解説していく。バリ島雑貨に興味のある人は、ぜひこの記事を参考にしてほしい。個人輸入ビジネス自体にとっても役立つ内容になっている。
ちなみに、現在インドネシア(バリ島含む)から日本に輸入されている品目は多岐に渡っている。金額的には「鉱物性燃料」がもっとも多く、全体の39%(約820億円)を占める。雑貨類については、「その他」という項目に分類されていて、その金額は約200億円規模だ。このううちの1%をシェア獲得しただけで年商2億円のビジネスができてしまうことになる。個人ビジネスにとっては立派な数字だと思われる。さらに今後も伸びていくと予想される分野だ。
以下に、インドネシアから日本への輸入統計を、財務省貿易統計(http://www.customs.go.jp/toukei/info/ 2015年10月時点)より円グラフにして示してみた。

2.インドネシア・バリ島から個人輸入すべきものリスト

東南アジア諸国やインドネシア・バリ島などからから個人輸入をする一番のメリットは、関税が無料になるということと商品仕入れが格安だということである。
最近はTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)についてのニュースなどでよく見かける食品については、さまざまに関税がかかっているのだが、雑貨類については、なんとすでにアジア諸国からの輸入関税はほとんどゼロ(無料)である。
これはEPA(経済連携協定)によるものだが、例えば「革張りのある腰掛け」は、アメリカなどから輸入する場合には関税率が3.8%掛かってくるが、インドネシア(バリ島含む)などのEPAを日本と締結している国から輸入すれば、関税は無料になる。一概には言えないが、関税が無料であればその分だけ安く仕入れることができるという塩梅だ。当然仕入れコストの削減につながる。
そこで、私がおススメする東南アジア諸国やインドネシア・バリ島、インドネシア本土から個人輸入に最適なものをご紹介する。大きく分けて3つあるのだが、①家具、②銀アクセサリー製品、③布製品だ。
その中でも、個人輸入が可能で、さらに日本で販売をする許可等がほぼ必要がないものは以下になる。
販売許可 | カテゴリー | 商品類 |
---|---|---|
不要 | 家具 | 椅子、ドア、傘立て |
古物商許可 | 家具 | アンティーク、置物 |
不要 | インテリア | 木製置物、石製置物、鏡 |
不要 | 絵画 | バリの絵画 |
不要 | バック | アタ製、バナナの茎製、布製 |
不要 | アクセサリー | ガムランボール、銀アクセサリー |
不要 | 布製品 | イカット製の布、バック |
これらの品物をおススメする理由は次の7つだ。
(1)仕入れ価格が安い
(2)リピート商品
(3)関税がほぼ無料
(4)輸送手段が多種類
(5)輸入規制がない
(6)販売する規制が非常に少ない
(7)バリの職人が数多くいる
(※輸入規制品目については、以下の記事を参照 → 輸入転売ビジネスではじめに知るべき規制品目一覧【インドネシア個人輸入】)
(1)仕入れ価格が安い
仕入れ価格はできるだけ安くするという理由から、これまでは多くの日本企業が中国に進出して製品を生産していた。ところが、中国の経済発展による賃金(人件費)上昇のため、製造コストは上がり(仕入れ価格は上がり)、現在では「中国で作って中国で売る」という戦略に方向転換している。
同様にインドネシアでも経済発展により労働賃金は上昇し、製造コストは上昇しているのだが、それは首都のジャカルタとその周辺都市だけに留まっている。ジャカルタ市から離れたバリ島やロンボク島などは、労働賃金は20年前と比べてもそれほど変わっていない。
以下に、中国の深圳(しんせん)とインドネシア・バリ島(ギアニール)、さらに我が国日本の月額の最低賃金を比較したグラフを載せた。
為替や物価、労働日数の基準値があるで一概には比較できないのだが、おおよその傾向は以下のとおりだ。インドネシアの最低賃金(人件費)は中国の半分となっている。
最低賃金が安いということは、同じ時間をかけて同じモノを製造したとしたとすれば、賃金の低い国のほうが安い製品がつくり出せるという当たり前の結果になる。もちろん品質管理ついての手間(工場スタッフとのやりとりや、あるいは良い職人やデザイナーを探す手間)はかかるが、これは中国でも他の国のどこでも同じだ。中国のほうが国土が広いぶん、かえって大変ではないだろうか。
一定のクオリティが確立し、注文回数や発注量が増えればオリジナル製品の製造も可能となる。これはどちらの国においても同じだ。私は10年以上インドネシアに在住し、現地の人たちと接してきたが、バリ人もジャワ人も案外根気が強く手先が器用な人も多くいる。これは非常に細かい模様の細工や木工彫刻、石像彫刻などの手間や時間がかかる製品に顕れている。

(2)リピート商品
インドネシア・バリの伝統的な雑貨は、日本も含めて世界中に多くのファンがいる。バリ島を訪れる世界中のリピーターは多い。距離が近いこともあり、とくにオーストラリア人観光客が多い。この記事を読んでいるあなたもそんなバリ島ファンの一人かもしれない。
スパで使われているアロマオイルや石鹸や銀(シルバー)の食器やアクセサリー製品、家具や木工製品、石細工などは帰りの飛行機の荷物に制限がなければ、大きな物もたくさん買って帰りたいと思う人は少なくないだろう。それらが自宅にいながら買えることができるとなると、喜ぶ人もたくさんいる。個人輸入ビジネスの成否は「ニッチなマーケットをいかに発見するかどうかにかかっている。
バリ島のアジアンテイストのシルバーアクセサリーやバックなどのファッション類、お部屋のインテリア家具や、南国風の食器、アロマや石鹸を欲しがる人たちはたくさんいる。「バリ島」や「アジアン」と聞いただけでパッションがあり、リピートして購入してくれるファンが日本全国にいる。さらにその人たちその友人たちにもこれらの品物を勧める。
この連鎖はほぼ途絶えることはない。2002年、2005年とバリ島で爆弾テロ事件が発生しているが、そこからの観光客数の回復には数ヶ月しかかからなかった。本格的なファンが根強く訪れる島であり、バリ島雑貨はそいうファンから永年リピートされ続けている。

(3)関税がほぼ無料
インドネシアと日本はEPA(経済連携協定)を結んでおり、現在でもほとんどの雑貨の関税が無料になっている。一部、銀アクセサリー(シルバー)製品などには0.4%(2017/1/1現在)0.6%の関税が掛かるがそれ以外は関税無料だ。
詳細は財務省貿易統計の実行関税率表を見てもらうとハッキリ書いてあるので参考にしてほしい。
→ 財務省貿易統計の実行関税率表http://www.customs.go.jp/tariff/index.htm
ちなみに日本とEPAを締結しているインドネシア以外の国は以下になる。(2015年4月時点)
・シンガポール
・メキシコ
・マレーシア
・チリ
・タイ
・ブルネイ
・フィリピン
・スイス
・ベトナム
・インド
・ペルー
・オーストラリア
また、EPAによって関税が減額される(EPA特恵税率という)ためには、原産地規則と輸送基準の両方を満たす必要がある。原産地規則には「原産地証明」を、輸送基準には「輸送要件証明書」をそれぞれ提出する必要がある。輸入する品目(HSコードという)ごとに細かく条件が設定されている。ただし、200アメリカドル以下のものに関しては無税となる。
原産地証明とは、輸入する品物の国籍を証明するもので、その国の材料を使って、その国で作られていることが条件になる。他国の材料を使用する場合には難解な規定がある。
「輸送要件証明書」とは、輸入経路の途中で他国にて手を加えられていないということの証明になる。輸出国の発給機関が発行するか、自己申告することになっている。インドネシアの場合には、インドネシア商業省が発給機関となる。
輸出品に関する原産地証明の発給機関についての2010年インドネシア商業大臣規定大60号:PERATURAN MENTERI PERDAGANGAN REPUBLIK INDONESIA NOMOR: 60/M-DAG/PER/12/2010 39/M-DAG/PER/10/2010 TENTANG INSTANSI PENERBIT SURAT KETERANGAN ASAL (CERTIFICATE OF ORIGIN) UNTUK BARANG EKSPOR INDONESIA
なお、EPAの詳細についてはかなり難解で相当な貿易知識を必要とする。JETRO(日本貿易振興機構)のサイトを確認してほしい。
→ https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/idn/jiepa/pdf/jiepaall_201511.pdf
原産地証明の書式については以下を参照。
→ http://www.customs.go.jp/kyotsu/kokusai/gaiyou/asean/kisaiyouryou.pdf
(4)輸送手段が多種類
バリ島から雑貨を個人輸入する場合、輸送手段は航空機を使うことになる。バリ島(インドネシア・デンパサール→日本)から定期便が就航している航空会社は、ガルーダ・インドネシア航空をはじめ、中国、タイ、香港、フィリピン、マレーシア、シンガポール、エアアジアなど合計約30社がある。また、DHLやFedex、EMSなどの国際宅配便を使えば、日本の宅配便の感覚で海外インドネシア・バリ島からの個人輸入が可能になる。
DHL.Fedex,EMS とは
いずれも国際宅配便サービスをしている会社。
・DHLは、航空便を主体としたドイツの国際輸送物流会社。日本法人もある。
DHL:http://www.dhl.co.jp/ja/express.html・Fedexは、空路や地上での物流サービスでは世界最大手のアメリカの会社。
Fedex:http://www.fedex.com/jp/・EMSとは日本の郵便局が扱う国際スピード郵便(Express Mail Service)の略。国際郵便の一種。世界中の郵便局と提携し、国際速達書留のようなものになる。
EMS:http://www.shipping.jp/intl/※輸送料金、扱える大きさ、配達日数などはそれぞれ異なる。
さらに、輸入代行業者も多い。以下に挙げた輸入代行業者について、とくにおススメしているという訳ではないので、もしも利用する場合には詳細についてよく調べてから依頼してほしい。
・買い付け屋:http://www.kaitsukeya.com/kaitsuke/indonesia/
・アンジン:http://www.anjing.co.jp/html/page8.html
・パシフィックエイトトレーディング:http://pacific8.net/bali/
・ファテマ:http://www.fatema.co.jp/yunyuudaikou.htm
・サ バリ:http://www.sa-bali.com/
・バリトロピカル:http://www.kagubali.com/
・バリ買い付けドットコム:http://www.bali-kaitsuke.com/daiko.html
・マンジャ:http://www.manja-bali.com/original7.html
個人輸入の初心者であれば上記のような輸入代行業者に買い付け発送を依頼すると、手続きなどを含めて個人輸入を簡単に始めることができる。ただし輸入代行料金も当然かかってくるので、できるだけ信頼のおける業者にお願いすることが大事だ。また、基本的に輸入代行料金はそれほど安くはないと私は感じているので、慣れてくれば自分で輸入手続きもやったほうがコスト意識も生まれてビジネスにとってはいい結果を出せるだろう。
もしも個人輸入について何かわからないことがあった場合には、こちらに問い合わせいただいてもかまわない。できるかぎり詳しく説明するつもりだ。
→ 「インドネシアから個人輸入できる人気のバリ島雑貨トップ100選」
→ 「8カ月でプロになる!個人輸入代行を上手く使い商品仕入れで儲ける方法」
→ 「関税が免除される国から個人輸入して利益率をアップさせるプロの秘策」
→ 「誰でもできるバリ島雑貨を個人輸入OKな現地仕入れ先リスト翻訳付き」
以上の記事も役に立つハズだ。
(5)輸入規制がない
インドネシア・バリ島の家具、銀(シルバー)製品、布製品についてはほとんど輸入規制がない。雑貨類で最大の規制は、ワシントン条約の規制対象であるワニ革やヘビ革、象牙などを使ったものが含まれている場合だ。具体的には、アミメニシキヘビの革(財布などに使用)、イシサンゴ(アクセサリーなどに使用)などは輸入禁止になっているなで注意してほしい。

ワシントン条約とは
「絶滅の恐れのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」といって、1973年、ワシントンで採択された。国際取引によって生存を脅かされている又は絶滅してしまう恐れのある野生動植物を保護することを目的とした条約。世界の約170カ国が加盟してる。
例えば、テナガザルなどの生きた動植物やアメリカワニなどの革製品、インド象などの象牙製品などがある。ワシントン条約で規制されている輸入品目の詳細については税関のページを参照
→ http://www.customs.go.jp/mizugiwa/washington/washington.htm
化粧品(アロマオイルや石鹸を含む)や食品、食器は個人で使用する場合には輸入が可能だが、販売する場合には規制がある。また、ランプなどについては「電気用品安全法」によるので、ランプ付きベッドや照明器具などはできるだけ輸入は避けたほうがよいだろう。
(6)販売する規制が非常に少ない
インドネシア・バリ島から輸入ができても、日本国内で販売しようとするときには、許可や免許、商品の表示が必要な場合がたくさんある。
例えば、食器やキッチン用品は「食品衛生法」によって、有害物質を含んでいないことを証明しなければならない。食品は「食品等輸入届出書」を提出し、審査を受け合格しなければならない。なお、この食器やキッチン用品の個人輸入の詳細については後に記事にしてお知らせする。
石鹸(ジャムウソープ)やアロマオイルのような体に直接触れるものは「薬事法」や「医薬部外品」の規制を受ける。化粧品の場合にはさらに厳しく「化粧品製造販売業」と「化粧品製造業」の許可をあらかじめ取らなければならない。(※香りを楽しむだけのものであれば、「雑品」扱いになり化粧品には該当しない。また、ジャムウソープについては後に詳しく記事にする)
電気製品の場合には、「電気用品安全法」の規制を受け、絶縁材の規定や使用方法の表示などが必要になる。電気を使用したランプやアロマポットが対象になる。電気をつかっていない家具、銀のアクセサリー、布でできたバックなどはこういった販売時に規制されたり、届け出を出す必要はない。
[バリのジャムウソープ]
(7)バリの職人が数多くいる
バリ島には小さい頃から工芸職人として働いている人がたくさんいる。例えば、石の彫刻をする職人、木工細工、布製品やアタ製品を編む女性、ガムランボールなどを製作する銀製品加工(彫金)などを仕事にする人たちだ。それらの職人は、村や地域ごとに集まっていて、伝統と文化を守ろうという気概を持っている。
もちろん、職人の中でも技術ランクはある。よい職人を見つけることができれば、新しいテイストのオリジナル製品を作ることも可能になったりもする。

2.バリ島雑貨の個人輸入で儲ける方法

趣味の範囲でバリ島雑貨を個人輸入して楽しむのではなく、個人輸入したバリ島雑貨を日本で販売して利益を上げる(儲ける)ためには、いくつかの方法と鉄則があるので以下にご紹介する。
(1)ネットショップで販売する
まずはネットショップで販売をスタートすることをススメする。個人輸入して販売する時に、いきなりリアル店舗を持つことをしてはいけない。たまたま自分や身内の資産の中に「店舗」があったり、相当な資金を持っていないかぎりは、リアル店舗を開くことは避けたほうがいい。つい憧れてしまう気持ちもわからないではないが、固定費はできるだけ少なくしておくことが利益最大化の一番の肝だ。
また、儲かるかどうかがわからないものに対して資金投入するのは単純にリスクを背負うことになる。通販などの小売業のスタートの基本は自己資金の範囲内で始めるということがリスクを最小限に留める方法の一つだ。
リアル店舗を借りるとなると、立地や家賃、光熱費、アルバイトなど家賃以外のコストも含めて当初シミュレーションした時の3倍の経費がかかる。ビジネスはなんでもそうだが、思った経費の3倍はかかる。
そこで、ネットショップで出店する、あるいはネットで販売していくという方法は非常に低コストだ。現在では無料で開けるネットショップもたくさんある。この詳しい内容については、「バリ雑貨を個人輸入して無料でネットショップを開店する方法」の記事を参照してほしい。
ネットショップでモノが売れるようになるためのポイントは、①「商品写真」と②「商品説明」の2つだ。これ以外にも大事なことはたくさんあるのだが、とくにこの2点は重要だ。
簡単に説明すると、①写真については、フラッシュを使わず自然光を使って立体的に明るい雰囲気で撮影することと、解像度をできるだけあげることであり、②商品説明については、その商品の歴史や作り手の思いなどをストーリーにすることが大事である。そして、検索キーワードを必ず入れておくことが重要だ。ネットの世界の初めてのお客さんは、あなたのお店(ネットショップ)を知って訪問して来るのではなく、キーワードを「検索して」、たまたま訪問して来るからだ。PPC広告などのネット上での広告宣伝をしない場合には、検索キーワードからの訪問が圧倒的に多い。
(参考記事)
「個人輸入でも使える!インドネシアで人気のネット通販に出店する方法」
「ソフトバンクが107億円を出資したネットショップに出店する方法」
(2)在庫は最小限にする
物販ビジネスにおいては「在庫は悪」という感覚を持っておいたほうがいい。トヨタ自動車が一番神経を尖らせているのが「在庫」だ。完成した車もそうだが、製造工程途中の部品在庫もそうだ。「在庫」には一番お金がかかり、「在庫」はキャッシュを産み出さない。トヨタ自動車は「ジャスト・イン・タイム」方式という方法で、ほしい時にほしい分だけ部品を調達、あるいは完成品の車の在庫を調整している。
品揃えとしてある程度の在庫は仕方がないとしても、できるだけ最小限に在庫量(発注量ということになる)を抑えておくことが重要だ。つい雰囲気に飲まれて(大量ディスカウントだとセールスされる)しまわないように注意してほしい。売れ残り(デッドストック)は、格安で売るか、プレゼント用品にするくらいが関の山なのだが、在庫の置き場所の確保や管理費用だけでもお金がかかっていることを意識すべきだ。
個人輸入ビジネスの場合には、どうしても輸送と配送に時間がかかってしまう。そのタイムラグを埋めるために、お客様に待っていただけるよう、次回の入荷日を連絡しておくなど対策はさまざまにアイデアしておくべきだ。
(3)すべてのかかるコストに価格交渉
すべてのかかる経費=コストに対して価格交渉をするべきである。利益最大化の点からもそうだ。しかし、単純に「安くしてほしい」と要求するのは交渉とは言わない。必ず発注する側と売る側の両方がwin-winの関係にならないといけない。
例えば、1個だけ商品を仕入れる場合でも、「将来的に売れたら数十個単位で発注できる」とか、「日本で流行りのデザインを教えます」など、相手にとっても「この人と取引を続けたい」と思わせることが大切だ。
価格交渉の一つのポイントとして、「値段は必ず相手に言わせる」という鉄則がある。インドネシア人はどちらかというと「照れ屋」だ。自分の要求を言葉ではなく態度や行為(好意ではない)で示してくる場合が大いにある。その場においては安く交渉できても、後になってきちんとモノを作らなかったり、要求した数量を送ってこなかったりすることもある。きちんと相手の要求を口に出させることが大事だ。
そして、もちろん国内の宅配便業者にも配送費の交渉をする。例えば、「毎月50個の発送があるのから、安くしてほしい」といった事だ。
(4)単価5,000円以上の利益が出るものを扱う
おそらく売価としては10,000円以上の商品を売ることになる。そうすると自動的に販売する商品が絞られてくる。売値が10,000円の利益率50%の商品は、バリ島からまとめて輸入した場合、輸送費・入金手数料などで約2,000円がかかる。この場合、商品の仕入れ値は約3,000円程度のものにしなくていけない。
まとめると、おおよそ以下の計算になる。
仕入れ値 | 3,000円 |
経費(輸入/税金/国内送料) | 2,000円 |
販売価格 | 10,000円 |
利益 | 5,000円 |
以上が個人輸入ビジネスの商品単価の最低ラインだ。これ以上安い商品を個人輸入で扱ってしまうと、利益率が悪く作業負担ばかりが増え、利益が残らないいわゆる貧乏ヒマなしの状態になる。
(5)売れる商品だけを扱う
多くの人がやってしまう間違いは「自分の気に入った物を売りたい」と思うことだ。
「自分が気に入ったのだから他の人も気にいるだろう」ということは、まず無いと思った方がよい。もちろんそのセンスを養うことは大事だが、売れる物は実際にお金を払ってその買ってくれた人に聞くしかない。
「買いたい」と思っている人ではない。実際にお金を払った人だけが対象だ。多くの人は「あれが欲しい。これが欲しい」と言ってくるが、実際にお金を払って欲しいとはあまり思わないのだ。
そのため、購入者に限ってアンケートでもいいし、販売の件数をデータにするのもよい。一番よい方法は、マンツーマンで聞くことだ。買ってくれたお客様はどんな年齢・性別で、どんな職業で、どこに住んでいて、どんなことに興味があるのか、どんな物をほしいと思っているのかなど、買ってくれた人の世界観を調べることだ。
その答えの中に、次の売れる商品のヒントがある。それは、材料なのか、デザインなのか、それとも雰囲気なのかを調べて、そのデータを蓄積していく。
売れない商品を仕入れてしまった場合には、すぐにでも在庫をなくすように「訳あり商品」として格安にするか、何かの商品に抱き合わせてプレゼントしてしまう。なにしろ、売れない商品を抱えていることは、本当に悪なのだ。
(6)1回売れたら何度もセールスする
1回でも購入してくれたお客様には、何度もアプローチをかけることだ。
配送した箱の中に「次回の入荷予定品リスト」や「特売セール品」、「購入者だけの特典」などのチラシを入れておくなどがその一例だ。
1週間後には、「商品の感想」をもらうために、プレゼントをあげる準備をして、メールや手紙などで連絡する。もちろんその中には、次に買ってくれそうな商品のリストも入れておく。
1ヶ月に1回は、「ニュースレター」という定期的な商品の仕入れ状況や、職人さんの言葉や写真などを載せた、メールやDMを送ると、親密な関係を築くことができる。これは、お店を覚えてもらうことによって、リピーターにするための最良の方法だ。
(7)検索ワードを探し出す
売れる商品をリサーチして、検索されるキーワードを探し続けるべきである。
ネットショップを開店しても、最初はなかなか売れないと思う。それは、お客様に知られていないからだ。だから、検索されるキーワードをしっかり見つけることが大事だ。
例えば、google のサジェスチョンやキーワード検索のサイトを確認して、どんなキーワードで検索しているのかを知ることだ。具体的なやり方については、次章の[3.売れる商品の見つけ方]でお伝えする。
さらに、売れている商品に書かれているタイトルのキーワードを集めておく。
これを楽天市場、アマゾン、Yahoo! ショップなどの、ネットモールなどからたくさん集めておくと、商品を仕入れネットショップに出す時のキーワードを設定することができる。
(8)全てはテスト
すべてはテストだと思って挑戦してほしい。
海外の仕入先も、少しづつリスクを最小限にしながらテストしていくことだ。メールの返事は早いのか、商品の発送をしてくれたのか、梱包状態は良いか、インボイスはきちんと送ってくれたか、などをチェックしていく。
販売の際も、お客さんは本当に喜んでもらえたのか、輸送中の問題はないか、入金はしっかりあるのか、などテストする項目はたくさんある。
だから、初めは一つの商品を仕入れ、販売してみる。売れたらまた同じ商品を仕入れる。ということを繰り返しておこなうことだ。
よくある間違いは、たくさんの物を仕入れてしまい、売れなくなった時にはもう損切りができず、赤字を垂れ流してしまうからだ。最終的には廃業となって、借金だけが残る結果となってしまう。
3.売れる商品の見つけ方
[出展:Gemara Jewelry]
ネットショップで販売する場合には、「ネットでは何が売れるか」をきちんと把握する必要がある。
ネットで売れる商品と、実際の店舗で売られている商品とはかなり違っているからだ。さらに、自分の思い込みで商品を仕入れると売れないと在庫が増えるばかりで利益を出すことはできなくなってしまう。
ビジネスの基本は「お客様が欲しがっている物を売る」ということだ。決して自分の好きな物を売ることではない。
以下に具体的な「売れる商品の見つけ方」をご紹介する。
(1)オークファンで探す
(2)アマゾンで探す
(3)ライバル店の売れ筋を探す
それぞれ具体的な方法を解説しよう。
(1)オークファンで探す
オークファンとは、オークション・ショッピングサイトの商品を取引相場を知ることができるサービス。ヤフオク!、楽オク、モバオクなどの商品の相場を把握するのに便利なサイトだ。ここでは、どんな商品が出品されており、どれが入札数が多いのか、値段はいくらなのかを調べることになる。
①「オークファン」と入力し、検索する
②「オークファン」をクリック
③検索窓に「バリ島」と入力する。この時下の部分に表示されるのが、関連するキーワードになるので、メモをしておくこと。「バリ島」の場合には、「バリ島 ウィシュヌ」「バリ島 本物保証アムリタ」「バリ島 雑貨」などがよく検索されるということだ。
ウィシュヌとは
ヒンドゥー教の神で、4つの腕を持ち世界を維持する役目があるとされる。右には円板状のチャクラムとこん棒を、左にはパンチャジナとハスの華を持つ男性の姿をしており、鷲に似たガルーダという鳥に乗っている。
商品をネットショップに掲載する場合に、このようなキーワードを入れておくと、検索で表示する確率が高くなる。
④検索した画面が[最近30日「バリ島」の落札相場一覧]になり、出品数が約471件あるということだ。他の月を検索する場合には、左下の「10月」「9月」などをクリックする。

⑤そこで、売価が10,000円以上にしたいので、「10,000」円と入力して、その下の「検索」をクリック

⑥入札件数が多い順に表示される。この場合には18件になる。その落札価格が13,800円とという表示だ。商品名が書かれているので、一つ一つチェックしていく。確認項目は以下。
・入札数が多いものだけを仕入れる
・全く同じものを仕入れる。大きさ、色、形も同じものだけ。
・日本語表記のものを英語またはインドネシア語に変換してサイトを検索する

⑦「アジアン」というキーワードで検索した結果。これも同じように確認していく。

(2)アマゾンで探す
①「アマゾン」と入力して検索する。
②「Amazon.co.jp]をクリックする。
③検索窓に「バリ島」と入力し、検索マークをクリックする。

④出品数が多いので、左側の価格欄に「¥10,000」と入力し、「GO」をクリック。
すると、10,000円以上のものが表示される。
⑤まだ出品数が多いので、価格欄に「¥20,000」と入力し、「GO」をクリックする。
すると、20,000円以上のものが表示される。
この商品を調べていく。

⑥20,000円以上のものから、ある商品をクリックすると、こんな表示になる。
「ガネーシャ 石像 41cm セット A 【バリ アジアン雑貨 バリ雑貨 アジアンインテリア 石 置物 ストーン ガーデニング 彫刻】という商品名が表示されている。
ガネーシャとは
ヒンドゥー教の神で「群衆の柱」とされている。お腹の出た人間に 片方の牙の折れた象の頭をもった神で、4本の腕をもつ。障害を取り去り、財産をもたらすと言われ事業開始と商業の神・学問の神とされている。
ここで、表示された商品をもっと深く知っておく。現地の仕入れ先と仕入れ価格をリサーチするのだ。まず、「ガネーシャ」と「石像」をインドネシア語に翻訳して、検索する。
⑦翻訳ソフトを検索する。ここでは「グーグル翻訳」と入力する。
⑧「Google 翻訳」をクリック

⑨翻訳画面になったら「言語を検出する」をクリックすると、候補の言語名が表示される
⑩「インドネシア語」をクリックする。(左側に日本語、右側にインドネシア語にする)
⑪日本語の欄に「ガネーシャ 石像」を入力する。
⑫「翻訳」をクリック。
⑬すると、翻訳したアルファベットが表示される。インドネシア語はすべて英語のアルファベットで構成されているので、理解しやすい。
⑭翻訳した言葉をコピーして、google検索画面に戻り、検索窓にペーストするか、翻訳したキーワードを入力する。

⑮検索マークをクリック
⑯検索結果に出たサイトをクリックする。
⑰サイト内の商品を確認する。

検索結果から、値段を把握する。ルピアで書かれている場合には、レート換算しておく。
為替レートが1円=Rp113(2015年12月)とすると、Rp3,000,000=26,549円となる。つまり、この石像は「26,549円」で現地で購入できるということになる。
レート換算は「Yahoo!ファイナンス」を参照してほしい。
http://info.finance.yahoo.co.jp/fx/convert/?a=1&s=JPY&t=IDR
日本で販売している[約36,000円]と同じものではないので単純に比較はできないが、1万円の価格差があるということになる。
このように日本の販売サイトではないところから同じような品物の値段とお店をメモしていく。そして、現地の価格と日本の販売価格の差が大きいものを仕入れるようにする。
また、アマゾン検索では、キーワードも集めることができる。例えば、先ほどの「ガネーシャの石像」の場合には、「【バリ アジアン雑貨 バリ雑貨 アジアンインテリア 石 置物 ストーン ガーデニング 彫刻】」と書かれれている。それぞれがキーワード検索にかかるように商品名をつけているのだ。
つまり、「バリ」で検索されても、「アジアン雑貨」「ガーデニング」で検索されても表示されるということだ。
これらのキーワードをあなたの商品にもつけると、探しているお客様から検索されやすくなるのだ。ここは非常に大事なので、必ずメモしておくことだ。
(3)ライバル店の売れ筋を探す
ライバル店を探すためには一番良いのは、「楽天市場」で探すことだ。
ライバル店の商品ラインアップと売れ筋の商品を探しておくことだ。それと同じ商品を、個人輸入して仕入れると、そのままあなたの利益になるからだ。もちろん、安く仕入れてることが重要になる。
以下楽天市場のライバル店の探し方だ。
①グーグルで「楽天市場」と入力し、検索する。
②「楽天市場」をクリック。

③楽天市場の検索窓に「バリ島」と入力する。
④検索をクリック。

⑤「バリ島」の検索結果から、絞り込んでいく。価格に「10,000」円と入力し、検索マークをクリックする。すると、商品が出てくるので、それぞれのお店をチェックしていく。
⑥「アジアン」でも検索し、「10,000」円と入力し、検索マークをクリックする。すると、バリ島だけでない、アジアンの雑貨類が表示される。このお店も確認しておく。

これで、売れる商品を見つけることができる。すこし手間がかかるが、売れない商品を仕入れるよりも、「売れる商品だけ」に絞って個人輸入することが、成功の鍵となるのだ。
まとめ
東南アジア諸国やインドネシアのバリ島などから雑貨を個人輸入して、ネットショップで販売する場合に一番悩むところは「どんな商品を仕入れたらいいか」という点だ。
今回はどんな商品が売れるのか、どうやって売れる商品を見つけるのかについて詳しく解説した。私が実際にやっている方法なので机上の理論やコンサルタントの講演内容でもない。
さらにはインドネシア・バリ島などから仕入れて(輸入して)日本で売っていくときにやるべきこともご紹介した。「売れるキーワード」を探し出したり、「商品の名前のつけ方」や「現地の価格をリサーチする手法」についても解説してきた。
個人輸入にはたくさんの規制があり手間がかかるが、この記事を参考にしてインドネシア・バリ島などから雑貨を仕入れてみてはいかがだろうか。もし不明な点などあれば問い合わせメールをいただいてもかまわない。
ぜひあなたの個人輸入ビジネスの成功を祈っている。以上、「インドネシアのバリ島から個人輸入して儲かるアジアン雑貨の選び方」をお届けした。
こんにちは。まだ個人輸入ビジネスを始めてはいないのですが、ここに書かれている売れる商品の探し方をすると、多くの人が同じ商品を販売して値段競争になってしまうのではないでしょうか?
いわゆる販売者IDを追って売れる商品を探すという方法もその一つだと思いますが、価格が下落して苦しんでいる転売の方が多いと聞きます。
何か秘策があるのでしょうか?
コメントありがとうございます。
秘策はありません。
まず、何が売れるもので、何が売れないものなのかをきちんと把握しておくことが大事です。
そのために記事に書いたように、リサーチをすることが第1歩です。
そして、テストをする。テストをしながら、実際に売れるのか、売れないのかを見極めていきます。
インドネシアの雑貨の場合には、必要に迫られている商品ではないので、趣味や趣向といったものに左右されます。
ですから、一度でも買っていただいたお客様に聞いて、「どんなものがほしいのか」を探る必要があります。
プラス、商品選びのセンスも必要です。
同じ商品=価格競争と考えるのは早急すぎますね。
ライバルとの差は、価格だけではなく、サービスや新しいものを提案してくれるとか、スピードが速い、知識がある、といったこともあります。
記事の中の「儲けるための鉄則」で書いたように、在庫を最小にするとか、1回売れたら何度もセールスする、といった
泥臭い、手間のかかる作業も大事です。
一攫千金を狙ったり、楽して儲けたい、という目的であれば、個人輸入ビジネスには向いていません。
どちらかというと、じわじわと根気よくやっていく感じです。
日本にいる方に世界中のいろいろなものを提供したい、または現地の人の生活を支えたい、といった志を持ってビジネスを始めてほしいと願っています。
もちろん、自分自身も利益がでないと生活できないので、しっかり利益を取る。そのためのボーダーラインが、5,000円だということです。
これで、お答えになりましたでしょうか?
挑戦するか、しないかは、ご自身でもう一度考えてみてがいかがでしょうか?
回答ありがとうございます。
まずは購入者から要望を集めるためのテスト販売をしていくという考えなのですね。
最初に売る商品で売り上げを上げるということではなく、お客様と関係を築いていき、要望を聞きながら息の長い商売をするということだと理解しました。参考にさせて頂きます。
はじめまして。現在、バリ島の商品を日本でネット販売できないか考えている者です。バリ島には昔からの観光関係をしている友人がいまして、日本人が買いそうな商品がわかるようです。そこで輸入して売りたいのですが、アマゾンでも売れ行きがあまりなく、ヤフーオークションを見ても入札者がいませんが、ネット販売で売れるものでしょうか?
お問合せいただきありがとうございます。
ご質問への回答といたしましては以下のようになります。
「売れるようなものは、売れるようにしているから売れていますので、
ネットでも、リアル店舗でも、売れるようにしていけば売れます。
いかに売れるようにしていくかが大事で、売れる商品を持っていても
全然売れないで悩んでいるお店やネットショップはたくさんあります。
参入障壁が低いネットの世界では、単に(売れそうな)商品を仕入れて
アップしたところではまったく売れません。そこまではだれでも
できるからです。(みんなやっている)
ご友人が当地にいらっしゃるというアドバンテージをうまく利用して
競合がやっていないことをやること(売れるようにする)がキーに
なるかと思います。」
島田 稔
はじめまして、インドネシアより、アロワナスーパーレッド 紅龍を定期的に輸入したいのですが、可能でしょうか?
お問い合わせのアロワナスーパーレッドにつきましては、様々な手続きが必要ですが、日本への輸入が可能です。
もしもご希望であれば、数量など具体的にご指示いただけましたら、お見積させて頂きます。
島田 様
お忙しい中、ご返信頂きありがとうございます。
いずれ、まとめて定期的に輸入していきたいと思っていますが、
スーパーレッドの聖地、ボルネオ島のカプアス川上流や、その近くの湖の
ファームで輸入可能か?
とりあえず、10匹単位でいくらになるか?
お手数お掛け致しますが、
どうぞよろしくお願い致します。
お返事はメールのほうにお願い致します。