インドネシアに進出してしばらくすると必ず直面するのは、生産性の問題だ。当初は「慣れていない」「理解するまでに時間がかかる」と思いがちだが、インドネシアでは”時間”が解決してくれることはない。極端なことを言えば、木に登ってバナナを取って食べていた人が、木から下りてきたらインターネットに繋がったパソコンと数十人の部下を抱えて、電子部品を作るよう指示され「慣れていないだけだ」と思えるか、ということだ。もちろん考えられない。
インドネシアの現地人も世界の変化のスピードが早く、何をどうしたらいいのか、まったく理解ができないのだ。
今回は、ものづくりに関して歴史的に浅く、理解困難なインドネシアで、生産性を向上させる現地の管理者の指導について、詳しく手順に沿ってお伝えする。
日本のように戦後、急速に発達したとはいえ、何百年という”商売の感覚”と”ものづくり”をしてきた人種とは全く意識が違うことを受け入れなければならない。さらに、トヨタなどの自動車産業によって、鍛えられてきた”ジャスト・イン・タイム”やムダ取り”、”カンバン”といった世界でも類を見ない、高い生産性の手法に慣れてしまっている私たちは、「できて当たり前」と感じてしまうからだ。
インドネシアに進出したものづくりの現地法人経営者だけでなく、本社経営陣にもぜひ読んでいただき、現地管理者の指導方法を理解し、生産性向上を目指してほしい。
1. 現場管理者の仕事内容を定義する
2. 標準作業書を作る
3. 始業時には自動でラインが動く
4. 標準作業書を改訂する
5. 標準作業書どうりにやらせる
6.作業者がラインを止める
7.少しづつサイクルタイムをあげる
8.生産数量と不良率でラインを評価する
9.プレゼントをあげる
1.現場管理者の仕事内容を定義する
[出典:unikindo.blogspot.com]
まず最初にやることは、現場管理者の仕事を明確にすることだ。
日系企業の赴任者がよく「管理者としての仕事をしろ」と言っているが、指示されていない仕事はできず、ただ「怒られた」という感情しか記憶に残らないのだ。インドネシア人に対して生産性向上に向かわせるには、どうしても”やってもらうシステム”と彼らの”モチベーションをあげる”ための戦術が必要なのだ。
インドネシアのものづくりの企業にとって、生産性を左右するキーマンは、現地の管理者だと断言できる。日本人赴任者でも現地マネージャーでもないし、ましてや工場長でもない。
経営者層にいけばいくほど、現地法人を”存続させるための仕事”に集中せざるを得ない。火事、ストライキやデモ、法規の遵守、収賄などの不正行為の防止が最重要課題だ。近年においても、日系企業において火事が発生し、多大な損害を出しているからだ。
現地マネージャーは、現場管理者では解決できない問題の解決や部門間の”調整役”が主な仕事だ。もちろん、優秀なマネージャーや管理者は存在する。だが、優秀な人材が集まるのは、給料が高く、世界的に名前の知られた大企業だけだからだ。
だから”それなりの人”を優秀な管理者に育てていかなくてはならない。ものづくりにおける現地管理者というのは、2つのレベルの役職がある。
一つは、製造ラインのリーダーである「ラインリーダー」と、ラインリーダーの上司にあたる「グループリーダー」だ。
それぞれの役割は以下。
[工場の組織構造]
1. グループリーダーの仕事
a. 標準作業を守らせる
作業者に標準作業書(マニュアル)に書かれていること”だけ”をやらせること。他の作業をしてはいけないし、考えさせてもいけない。作業者が標準作業をしているかを日々ラインリーダーに確認させて、グループリーダーも日程を決めてチェックする。また、標準作業書の改訂を品質管理部門に依頼し、内容を確認し、ラインリーダーに伝える。場合によっては、作業者を指導することもある。
b. 品質は保たれているかを確認
各工程で不良品が発生していないかを確認する。また、作業者が不良品を隠していないかもチェックする。基本的な考えは、「品質は工程でつくる」ということだ。
c. クレーム発生時の招集権限を持つ
グループリーダーの最大の権限は、クレーム時に各部門担当者およびその上司である部門長を招集できることだ。招集するメンバーとしては、、製造部門、品質管理、生産管理、設備部門、出荷部門のマネジャークラスおよび日本からの赴任者も含まれる。クレーム内容と原因、および対策を協議して各部門に指示することもできる。
d. 問題の解決(ラインストップ時の対応)
生産ラインのストップが決められた時間以上になった場合や不良品の多発などの問題解決にあたる。4M分析という手法を使う。いずれの問題かを特定し、解決にあたる。
*4M分析:Man, Machine, Material, Methodの頭文字をとった省略形。
例えば、Material(材料・部品)の場合は、不良品が作られるロット番号の特定と代替え品のライン投入。作られてしまった不良品の回収、区分けなどがある。
e. コストダウン
コストダウンの3つの項目について検討し、ラインリーダーに指示をする。
・サイクルタイムの短縮(生産数量の増加)
・ライン投入人員の減少
・不良品の減少
f. 設備改善要求
危険な動きや安全装置が正しく動作していない、異常な音、匂いがするなどは、ラインを止めてでも設備の修理をしてもらうように依頼する。また、設備の異常に気がつく感覚を養うことだ大切だ。
g. 生産計画の実施
稼働日に予定された製品の生産をラインに指示をする。グループリーダーは、各ラインでどんな種類をどれだけ作れるかを、かなりの精度で把握していなければならない。そして、生産管理部門との密接な調整が必要だ。
h. 人員配置
生産計画にしたがって、ラインの人員配置を調整する。毎日ラインが稼働する前に、人員配置表の前で、生産管理部門やラインリーダーと調整をして人員配置を決めていく。急ぎの製品やコンスタントに生産すべき製品のバランスをとることが重要だ。
i. 材料の準備確認
新製品や特急で製作しなければならない部品は、ラインリーダー任せにせずにグループリーダーが確認し、場合によっては、自ら部品を取りにいくこともする。
j. 設備が正しく機能するか
整備が正しく動作するかを始業前に、ラインリーダーや設備担当者と生産計画どうりに作れるかを確認する。設備不良で生産ができない場合には、生産管理部門との調整をし、人員の配置を変えたり、時間をスライドさせたりなどの対策をする。
2. ラインリーダーの仕事
a. 標準作業をやっているか
ラインリーダーは、そのラインで行う作業のすべてができることが前提になる。その上で、作業者が標準作業書どうりに作業をしているかどうかを、日々確認する。異常な動きやムダな動きをしている作業者には、再度指導を行う責任がある。
b. 標準作業書の改訂を現場管理者に提案する
標準作業書に書かれている内容ができない場合、または品質を落とさずに早く行う方法がある場合は、改訂の依頼を品質管理部門にする。作業者やラインリーダーは勝手に標準作業を変えてはいけない。必ず品質管理部門の承認をすることだ。
c. 作業を指導する
新製品もふくめ、作業者に標準作業を指導する。ラインリーダーはそのラインで行う作業を、標準作業書どうりに、できるように、何度も標準作業書を読み返さねければならない。
d. 人員配置表どうりの人員がいるか
人員配置表どうりの作業者が、実際にラインにいるかどうかを始業前に確認する。人員が確保できない場合は、生産管理や現場管理書と協議をして、生産予定数を減らすか、そのラインでの生産を時間で区切るか、などの調整をする。
e. ラインに入って作業を代行する
人員がトイレなど一時的にラインから離れる場合には、ラインリーダーが代わりに作業をやる。
f. 各工程の品質のチェックができる
”品質は工程でつくる”ことを実践するために、担当するラインのすべての品質の判断ができる。どうしても判断がつかない場合には、品質管理部門を呼び、判断してもらう。判断してもらった結果は、品質基準書類の改訂も依頼し、ラインに貼っておく。
g. 部品や材料のをラインまで持ってくる
材料や部品の充填をおこなう。作業者には標準作業書に書かれたことしかやらせないことが大切なのだ。
h. 優秀な作業者をラインリーダーになるように選出し、教育する
作業の習得が早く、すべての作業ができ、ラインリーダーの仕事をこなすことができそうな作業者には、ラインリーダーになるための教育を行う。
以上が、現場管理者の仕事だ。あなたの会社の現場管理者は、これらの仕事内容を理解しているかどうか確かめることは、日本人赴任者の役目でもある。
2. 標準作業書を作る
ものづくりの会社では、標準作業書は必須だ。しかもインドネシアには、インドネシアのレベルにあった標準作業書が必要なのだ。
ポイントは、できるだけ作業を分割し、詳細に記載することだ。例えば、部品は右手で持つのか、左手で持つのか、などだ。さらに小さな部品については、親指を人差し指で掴む、回す、ナナメにしてはめる、などといったことも書いていく。細かい動きも含めて「絶対に標準作業以外はさせない」という熱意の表れだからだ。
標準作業書でどれだけ詳細に書いても、伝えることができない場合があるが、写真やビデオなども併用していくこともやっていく。標準作業書は、長年積み上げてきた会社の知恵とノウハウの塊なのだ。
詳しくは、「インドネシアに適合し現場で使えるマニュアル作成の8要素」を参照してほしい。
3. 始業時には自動でラインが動く
[出典:teknologi.news.viva.co.id]
インドネシアでよく言われるのが「ゴム時間(Jam Karet)」という言葉だ。時間がゴムのように伸びるという意味だ。生産工場においては、始業時間になっても作業者がまだラインに来ていなくて、生産できないことが頻繁に起きる。
だから、作業開始には自動的にラインが動くようなシステムが必要だ。
以前私が赴任していた電子部品の組み立て工場では、ラインをベルトコンベア方式にして、作業の開始と終了を自動にしたところ、それだけで約15%ぐらい生産性が上がった。
ラインが自動的に動き始めても作業者がラインに到着していない場合には、ラインリーダーがラインを停止させる。すると、アンドンのランプとブザーが鳴るシステムだ。設置当初は、いたるところでアンドンがつき、ブザーがなっていた。しかし、数ヶ月程経つと、ラインリーダーが作業者に指導したこともあり、作業開始時に作業者が遅れることはほぼなくなった。作業終了時も、自動的に停止するので、稼働時間内はしっかり作業をすることになる。
ベルトコンベアではできない成形品や部品を加工する工程でも、アンドンとブザーを設置し、何かの作業を始めていない場合にはラインリーダーやグループリーダーがわかるようにしておくことだ。
ラインが自動的に動くことで得られる利点は以下。
・作業者の遅刻を撲滅
・生産計画どおりに生産が始まり、終了できる
・ラインでの問題が「見える化」できる
・”1個流し”ができる
「見える化」できるようになるには、ラインが停止した時に、管理者がラインに行くことが必須になる。ある一定の停止時間を超えたら、マネージャーや日本人赴任者が現場に集まるシステムにすることだ。管理者が現場で確認することを強制できるし、上司の問題を共有できる。
ラインが停止する理由には以下があげられる。
・生産計画がまちがっている
・作業者がいない
・部品や材料がない
・作業が遅れた
・不良品が発生した
・ラインで事故(設備・作業者)が発生した
・段取り中(機種変え・仕様変更など)
ラインが停止する理由について、ある程度分類されれば、対策がしやすくなる。そのためには、アンドンがついたら、ラインリーダー、グループリーダーがすぐに駆けつけて、問題を解決できるようになるし、ラインを止めないように対策をし始めるのだ。
逆に、全くラインが止まらない場合には、作業者が「余裕で作業」していることになり、生産性は上がらない。後述するが、ラインのスピードを上げることで隠された問題を見つけることができる。
4. 標準作業書を改訂する
インドネシアでは、標準作業書はあるが実際には活用されてなく、ファイルされているだけで稼働ラインの近くにはないことが多い、改訂を積極的にするには、以下の5つを実施することだ。
1. ラインに置く場所をつくる
2. 改訂手順を公表する
3. 生産管理とリンクする
4. 改訂専門の担当を決める
5. オンライン化する
それぞれ見ていこう。
1. ラインに置く場所をつくる
標準作業書は品質管理のISO取得や監査のために、品質部門としては紛失が怖いし、配布作業が面倒なのでやりたがらないからだ。ラインには必ず、決められた場所に標準作業書があることをラインリーダーだけでなく、マネージャークラスも確認することだ。また、新製品や”久しぶり生産”の場合のチェックリストに含めて確認すること。
2. 改訂手順を公表する
改訂手順も”カイゼン”しなければならないのだが、まずは品質管理部門以外にも改訂手順を知ってもらうことだ。誰が提案し、誰がドキュメントを変えて、誰が承認し、どこに連絡するのかをはっきりさせておくことだ。ラインリーダーとしては、せっかく作業をカイゼンするように提案したのにもかかわらず、「品管は何もしてくれない」と感じてしまうからだ。
例えば、以下ような表を掲示しておいてもよい。
[標準作業書改訂手順(サンプル)]
3. 生産管理とリンクする
生産管理が、生産指示をするときには、標準作業書のバージョンを指定して指示書を発行する。指示書が発行された後に改訂された場合の手順も決めておくこと。
つまり、製品名や固定された品番で指示するのではなく、標準作業書のバージョンを指示することによって、生産管理、品質管理、製造との連携が最新で、品質が高い製品ができるのだ。
4. 改訂専門の担当を決める
品質管理部門は、標準作業書専門の担当を決めておく。チームを作ってもよい。標準作業書の改訂には、文章作成能力、写真撮影、レイアウト、ナンバリングなどの品質規定の理解、品質に関する理解といった高度な能力が必要だからだ。
5. オンライン化する
改訂に関する仕事で時間がかかることは、承認手続きと配布だ。これをタブレット端末などを利用して、社内LANで共有することができれば、かなりの時間短縮につながる。ただし、最大の企業秘密であるため。セキュリティーには注意が必要だ。
5. 標準作業書どうりにやらせる
標準作業書がラインにあるのもかかわらず、作業者が標準作業書に書かれたとおりにやらない場合がある。やらせるためには以下の3つのことを実施する。
1. 標準作業書を読ませる
2. できるように環境を整える
3. 作業改善の提案はOK。でも承認されるまで待って。
順番にみていこう。
1. 標準作業書を読ませる
ラインが稼働する前、ラインが止まっている時間には、作業者の担当する作業の標準作業書を、何度も繰り返して読ませることだ。作業トレーニングのときにも、標準作業書を暗記するぐらい強制的に読み込ませることだ。
2. できるように環境を整える
ラインリーダーやグループリーダーは、作業者が標準作業ができるようにすべての環境を整備する。例えば、材料や部品を準備することはもちろん、立ち位置、設備のちょっとした角度や高さも作業者によって調整する。すべては標準作業ができるようにすることだ。
3. 作業改善の提案はOK。でも承認されるまで待って。
多くの作業者は「標準作業書どおりにやれ」というと、腰が痛くなるような姿勢になっても、手の皮が剥けるような作業であっても我慢してつづけてしまう。インドネシアの特有の性格として、我慢強いことが裏目にでてしまう。
作業者には、作業改善の提案はどんどんしてほしい。ただし、実際に作業を変えても良いかは、承認されるまで待ってほしいと伝えることだ。ラインリーダーはじっくり提案された作業を確認し、品質管理に提案していく。作業改善の承認中であることを、作業手順書にポストイットなどに記入しておくと、提案した作業者も、違うシフトの作業者も「改訂のプロセス中」であることが理解できるからだ。
作業者は、早く、楽にできる方法を探すので、標準作業書が次々に改訂され、生産性が向上してくるのだ。
6.作業者がラインを止める
[出典:id.aliexpress.com]
生産性を向上させるには、問題を顕在化することが必須だ。
顕在化するにはラインを停止させ、ラインリーダー以上の役職者にラインに来てもらわなければならない。だから、作業者にラインと止める権限を与えることだ。製造に関する問題で一番理解しているのが、作業者だからだ。
作業者がラインを止めるとき条件は以下。
・材料がなくなって作れなくなった時
・前工程の不良品を見つけた時
・自分の工程で不良を作った時
・時間内に作業を完了することができなかった時
・設備の異常に気がついた時
・トイレや体の具合が悪くなった時
・検査工程で不良品を見つけた時
・ラインリーダーを呼びたい時
基本的な考え方は「標準作業ができなくなったら、ラインを止めろ!」ということだ。
7.少しづつサイクルタイムをあげる
[[出典:owtop.blogspot.com]]
生産性を上げる最も有効な方法は、ベルトコンベアのスピードを上げ、時間あたりの生産数を上げることだ。そのスピードは、作業者に気づかれないぐらいに少しづつにすることだ。
ベルトコンベアの場合には、プログラムの数字を変更するだけなので簡単だ。
少しづつスピードを上げていくと、ある特定の作業者だけが時間内に作業が完了せず、ラインを止めることになる。つまり、一番作業の負担が大きい、作業が多い、または難しい作業がわかるようになるのだ。
すると、前後の作業者が一部の作業をやったり、作業自体のやり方を変更せざるを得なくなる。理想な状態としては、すべての作業者が、”全く同じサイクルタイム”で作業が完了することだ。サイクルタイムをあげる方法を図に示すと以下のようになる。
[サイクルタイムの上げ方]
ラインリーダーやグループリーダーが「どうしたら前後の作業者に振り分けられるか」「どうしたら作業を早く終わらせることができるか」ということを考えるようになるのだ。改善された作業は標準作業書の改訂をして、他のラインと共有していく。
ラインストップが少なくなったら、さらにベルトのスピードを上げていくと、今度は別の工程で時間が追いつかなくなってくる。これを繰り返すのだ。
8.生産数量と不良率でラインを評価する
[出典:info-loker-kota.blogspot.com]
ラインの評価は、生産数量と不良率で行うことは当然なのだが、インドネシアでは軽視されている場合がある。ラインの評価は担当するラインリーダーの評価とリンクしていることが必要だ。
ラインリーダーは、生産数量と品質確保の両方の責任を持つためだ。冒頭で説明したが、実際の生産現場で大きな影響力をもっているのがラインリーダーだ。決してマネジャーではないということだ。
ラインリーダーは、すべての作業をこなし、品質の判断もできる高度な技能とモチベーションを保ち続けることができる管理者なのだ。有能なラインリーダーを探し出し、教育していくことが、マネージャーや日本人赴任者の役目なのだ。
そのため、一般の作業者の中から、優秀な人材を探し出すしくみを作っていかなくてはならない。基本は、標準作業書どうりに作業ができるかどうか、改善する意欲があるかどうかだ。優秀なラインには、優秀な作業者がいる可能性が高い。
そのためにも正しいラインの評価を公表し、チームとして評価する必要があるのだ。
9.プレゼントをあげる
[出典:www.trendingcenter.com]
優秀な評価をうけたラインには、プレゼントをあげることだ。例えば、生産性を150%アップさせた、不良品を半減させた、標準作業書の改訂を一番多く行ったなどだ。プレゼントはチョコレートでも十分だ。
ラインリーダーやラインで働く作業者は、なかなか評価されないことが多い。毎年15%以上の最低賃金がアップしているので、何の改善をしなくても、自動的に給料はアップするので、なかなか個人の評価を給与に反映できないからだ。
給料での差ができないので、良い評価をしたラインのメンバーには多くの人の前で表彰したり、プレゼントをあげるとモチベーションがアップするし、他のライン作業者も「頑張ろう」という気持ちになる。
3ヶ月や6ヶ月ごとに、ベストライン賞なども設け、日本人と一緒に食事会をすることを強くオススメする。赴任者やマネージャーはただ食事をするだけではなく、次期ラインリーダーを探すために食事会で話を聞くことだ。家族構成、悩んでいること、将来の夢などを聞いていくと優秀な人材かどうかがわかってくるからだ。
まとめ
ものづくりの生産性を向上させるには、インドネシア特有の指導方法とシステムを構築していなかければならない。そのキーマンとなるのは、現場管理者であるグループリーダーとラインリーダーだ。
彼らに現場管理者としての仕事をしっかりやってもらうには、ラインを自動的に動かすシステムと、生産性をアップさせるしくみが必須なのだ。そして、日本人赴任者は一般の作業員から優秀な人材を見つけ出す目を養わなければならない。
何度も繰り返すが、中堅企業にとって生産性をアップさせるには、優秀なマネージャーではなく、優秀な現場管理者が必要だ。社内の人材から、現場管理者となる人物を見つけ出し、教育し続けることが、日本人赴任者および現地工場長に求められる最大のミッションだ。
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